東浩紀氏の「これが政治です」発言へのブコメに対する違和感

ホッテントエントリを見てると、東浩紀氏のこの発言があった。

やるじゃん東浩紀氏、と思ってブコメを見ると反応は全然違った


どうやら誤解というか文脈を読み違えている方々が大勢いらっしゃる様子。
というか自分の思っている文脈も正しいかどうか怪しくなってきた。
なので、自分の確認のためにも書いてみる。

……政治ネタでブログ書く難しいなあ。

そもそも東浩紀氏の立場

そもそも東浩紀氏は都条例に対してどういう立場なのか。
2010年3月の、この法案がまだ非実在青少年問題と呼ばれていた時期の発言から引用する。

東京都青少年保護条例改定案(「非実在青少年」規制)問題について - Togetterより一部孫引き

要するに、国が規制をすることに関しては明確に反対している。

自由はタダで手に入らない

その後、非実在青少年問題は審議し直しになるが、12月15日に可決され、都条例問題となる。
その数日前の、可決直前の東浩紀氏の発言を拾ってみる。

東浩紀氏の語る、「東京都表現規制反対論者」に対する「警告」・・・「論戦に勝てる」論理の重要性・・・「業界内の論理だけ」でぬるくやってても、「無駄だ」 簡易版 - Togetterより孫引き

どう話し合うのか? それを問題にしている。
都条例問題はずっと前から進んでいた。
東浩紀氏もずっとこの問題に取り組んでおり、「これが政治です」発言の前に、「何が政治ではないか」をずっと発言している。


余談だけど、猪瀬直樹氏の可決前後の発言に関する不信感も、今回のブコメの遠因になっているように思う。
都条例問題に関する東京都副知事 猪瀬直樹氏の発言まとめ - Togetter

その後も東浩紀氏は猪瀬直樹氏との対談や、話し合うことの重要性について発言を続ける。
東浩紀・村上隆・猪瀬直樹の各氏対談が示す都条例の真意 - Togetter
都条例問題: 東浩紀の闘い方/ 祝!「改正青少年育成条例」成立からの第一歩「審議可視化・審議への“一般意思”の盛り込み」提案 #hijitsuzai 東浩紀氏が猪瀬直樹氏にかけたブリッジ! - Togetter

これらの文脈を踏まえての東浩紀氏の発言

これらの文脈があって、そしてこの流れである。

猪瀬直樹氏がコミケは都条例の対象にならないと発言したことに対する簡単なまとめ - Togetterより孫引き

この発言に至る。

まとめ

彼の「これが政治」の「これ」は何を差していて、何と比べているのか。
比べられているのは、話し合いの場を持とうともせずに、条例に対して文句を言うこと。
比べているのは、相手との対話のプロトコルを見つけ出し、それに合わせてメッセージを発し、こちらに有利な発言を引き出すこと。
これらを比べた時、前者よりも後者の方が明らかに「政治」的である。
だから、この「政治」という言葉を、単に選挙活動とか予算会議とかの文脈で捉えてしまうと、おかしな誤解をしてしまう。

こういった、文脈が整理されずに起こってしまう誤解は、なんて言うか、もったいないと思う。
その誤解という解釈自体が僕の誤解かもだけど。
ツッコミあるならぜひ教えて下さい。お願いします。